わいはわいわいでいいわい

※全てフィクションです

植物生理学会に参加してきた話

2023年3月に行われた植物生理学会@仙台に参加してきた。

想像していた以上に楽しい学会だったので、その感想をば。

 

植物生理学会について

日本植物生理学会公式HPによると、

日本植物生理学会 (Japanese Society of Plant Physiologists) は、植物生理学の分野における学術交流を促し、この分野の発展に寄与することを目的として1959年に設立されました。以来、植物と微生物を対象とした生化学、分子生物学、細胞生物学、遺伝学などの関連分野の研究者も参加する “植物の機能に関する科学” の総合学会として発展してきました。

と紹介されています。実際に、今回の学会でも光合成や植物の形態形成、代謝、植物ホルモンなど植物科学(特に生理学)を主に分子生物学的に研究する人たちが多く集まり、上のような研究分野で発表が分類されていました。

今回の学会は、ハイブリッド形式で行われ、ポスター発表はオンライン、口頭発表とシンポジウムはオンサイト(オンライン配信あり)という形式になりました。現地参加者が1000人以上ということもあり、学会の規模の大きさを感じました。

楽しかったところ(研究編)

発表を聞く側として

多様な角度から植物を研究している人たちに出会って、その発表を聞くことが一番楽しかったです。先ほど述べたように、植物生理学会には、植物に関連するさまざまな現象を研究している人がたくさんいます。光合成の分子機構を調べている人もいれば、葉のつき方を調べている人、植物と微生物の相互作用を調べている人もいます。こういう人たちの発表を聞くことで、自分が知らなかった植物の一面を知ることができて勉強になりました。植物の世界に踏み込んでまだ1年くらいの僕にとって、ほとんどの発表が新鮮なことも想像以上に楽しめた理由ではないかと思います。

個人的には、『シングルセル解析は植物科学に何をもたらすのか』というシンポジウムが一番面白かった(ちょっと難しくもあった)。MVS (Most Valuable Symposium) です。

また、"ボク、チョットワカル"的な内容の発表だと他の発表よりも深く理解できるし、たまに質問なんかできたりすると自分の成長を感じました。

発表する側として

今回の学会では、ポスター発表をしました。あまりメジャーな研究ではないにもかかわらず、5, 6人もの人が来てくださり、研究の話をすることができました。素直に嬉しかった...。最初は1人も来ないことを想定していたので、1人来た時はすごく安心しました。

ただ、僕のブレイクアウトルームも含めて、空室のブレイクアウトルームがすごく多かったなような気がしました*1。オンラインという形式上、偶然立ち寄るということが起きにくく、あらかじめ興味のある発表を決めて、そのポスターに突撃するという形にならざるを得ないことや、オンサイトよりも話に途中から入りにくいことを考えると、ある程度仕方ないことなのかもしれません。そう考えると、5, 6人も来てもらえたのは幸運だったかも。

楽しかったところ(交流編)

学会なので、研究発表がすごく面白かったですが、いろんな研究者に会ったり、話したりすることが楽しかったです。

今回の学会では、知り合いを作ることも僕の中で大きな目標でした。しかし、初参加で知り合いほぼゼロの状態では、じっとしていても知り合いはできない...。となると、自分で話しかけに行くしかないわけです。結局、10人くらい(頑張った...!)に話しかけに行きましたが、どの方も無碍にせず、知らない学生と丁寧に話してくれてありがたかったです。

他にも学生とのつながりを少し作ることができたことも収穫のひとつです。

植物生理学会には若手の会があり、若手の会の幹事さんたちが企画してくださった懇親会に参加しました。個人的に、研究生活の深い話はできなかったですが、学位取得後すぐの人たちは他ラボの先輩という距離感で今後のためになる話を聞くことができました*2

学会の懇親会でも他のラボの学生と話すことができました。勉強させてもらったレビューを書かれた人や、去年の東北植物学会で知り合った人と話しました。特に、東北植物学会で会ったことのあった人たちとは、以前よりもよりフランクに友達みたいに話すことができてよかった。そのうちの1人は同じ大学なので、初めてラボ以外で大学の友達ができたような気がします。コロナどかぶり世代としてはいつも以上にうれしい*3

植物生理学会は初参加でしたが、思ったよりも他の研究者の人と接点があるなと感じました。指導教員の友達だったり、共同研究者だったり、近い研究分野で論文やレビューを書かれている人だったり、Twitterでよく見かける人だったり。そういう人たちが、結構そこらへんにいたり、発表したりしているのです。This is 学会。

楽しかったところ(番外編)

懇親会(飲み会)。

指導教員には0次会と2次会にも誘ってもらって、そこでもまた初めましての人たちと飲んで、話して...と、指導教員のおかげでぼっちにならず、しかもたくさんの人と話せて素晴らしい飲み会でした*4

まとめ

初めての植物生理学会は良い思い出ばかりでした。植物生理学会に出ることを勧め、研究やポスター作成をサポートし、懇親会ではいろんな縁を作ってくださった指導教員には感謝しかないです。

また頑張って、どこかの学会に出たいと思います*5

 

【補足】懇親会で「ぼっち」にならない(僕なりの)手札

正直、今回の学会と懇親会では、指導教員の人脈に預かりまくました。もし指導教員がいなかったら、本当の本当に「ぼっち」だったと思います。ただそれ以外にもいくつか「ぼっち」回避策を考えていました。それが次の三つです。

  1. 話したい人の論文やレビューを読んで、話のネタを作る。
  2. 話したい人の発表を聞きにいって、質問を考える("あえて"その場では聞かない)。
  3. 指導教員の名前を積極的に使っていく(最終手段)。

3. 指導教員の名前を積極的に使っていく、は虎の威を借る狐的ムーブですが、第一歩として大切だと思います。ただほとんど使うことはありませんでした。1と2は効果バツグンでした。やっぱり話のネタがあるかどうかはかなり大切。

 

*1:植物生理学会におけるオンサイトでのポスター発表を知らないので、例年との比較ではなく完全な主観。

*2:指導教員の交友関係が広すぎて、大体スッと話に入っていけたのは本当にラッキーだった

*3:2人とも学年的には先輩なので、友達と呼んでいいかは微妙。

*4:0次会にために仙台駅に向かう道中、一緒に行く人がどんどん増えていく様子はさすがに笑った。

*5:次の植物生理学会は神戸らしい。